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日本侠客伝 関東篇のbluetokyoのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 関東篇(1965年製作の映画)
3.5
あいかわらずたくみな筋立てで感心してしまう。
今度の舞台は築地魚市場。大正末から昭和初期の頃の築地の風景は貴重だ。
高倉健さん演じる船乗り、緒方勇、あれえ、寝過ごしたら船がオレを置いて、出ちゃったよ、とのんきな登場である。
次に船が来るのは二カ月だ、その間だけ、働かさせちゃあもらいえませんかね、と魚問屋の江戸一に頼み込む。
江戸一は女社長の市川栄が頑張って経営していた。元やくざのサブちゃんも堅気になってすし屋で寿司を握っている。
一見すると、活気に満ちた平穏な築地市場に見えるが、実はそうではなかった。
理事長郷田勢之助が石津組のやくざと手を結び、魚の値段を釣り上げて暴利をむさぼっていたのだ。
江戸一はそんな組合に入らず、安く魚を提供していたので、石津組の嫌がらせを日々受ける毎日。
ある日、サブちゃんの兄貴分だった、江島勝治が五年ぶりにふらりと帰ってきて、石津組ににらみを利かせてくれたが、焼け石に水。
劣勢の江戸一は、挽回するために、カナダ産の鮪を大量買付けする。
だが、郷田は役人に手を回し、水揚げさせないようにして妨害した。
怒ったサブちゃん、石津組に殴り込みをかけて、逆に殺されてしまった。
窮地に立たされた江戸一を見かねて、緒方勇は、昔の伝手を辿り、焼津へ向かう。
焼津には、丹波哲郎さん演じる、網元頭、八十川波右衛門という男がいる。
緒方勇の必死の願いに、八十川、わかったあああ、と一喝。多量の魚を乗せ、築地市場に現れた。
ところがまたしても、郷田は役人に手を回し、水揚げさせないようにして妨害。
ついにブチ切れた仲買人たちは、勝手に、魚を持ち出し始めた。
八十川たち漁師もそれを応援、八十川は丸太をぶん回して大暴れ。
江島勝治は石津組+郷田に殴り込みをかける。追うように緒方勇も続いた。
石津組+郷田を殺害し、めでたしめでたし。
江島勝治と緒方勇は警察に自首するのであった。
丹波哲郎さんの登場はほんとうに鮮烈。たった数分しか登場シーンはないのに、すごい存在感だ。
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