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晴れて今宵はのくりふのレビュー・感想・評価

晴れて今宵は(1942年製作の映画)
3.5
【アステア&ヘイワース 恋は錯覚篇】

『踊る結婚式』に続き、フレッド・アステアとリタ・ヘイワースが組んだミュージカル。

こちらの方が、ドラマとしてもミュージカルとしても充実していますね。何よりリタの見せ場がパワーアップしているのが嬉しい。

お話は『踊結』と似たようなレベルでまあ他愛もない感じですが、嘘から出たまことで恋が実ってしまうので、恋心なんていい加減なもんだよね、という皮肉が裏側で効いています。そこは面白かった。

ダンスと、アステア&ヘイワースのラブ指数が比例していて、物語を滑らかに進めてくれるところがいいです。すんなりとダンスに見惚れます。

『踊結』よりリタが少し大人ぽく撮られ、アステアとの並びもより自然。彼女、黒いドレスでの胸元がいいですねー。いえ、豊かな谷間てより、その上デコルテ美肌スペース。妙に広くて目が惹かれる。ガタイがいいんですよね (笑)。あああそこで泳げたら。

本作でも、一番よかったのはタップダンス。中でも「ショーティ・ジョージ」がお見事!これはリンディホップというダンスの創設者を歌っているのでしょうか?動きが激しいので、意識しているように思いますが。

しかし何より、ここでのリタさんは膝上ミニスカなんです!くるくるターンするとですね、リタチラがヘイワースにたっぷりと堪能できて最高なのです!(きっぱり) …これで黒人なみのリンディホップやってくれたら鼻血モノでしたのに…。

後でアステア自伝をチェックしたら、本作について面白いエピソードが書かれていました。

当時は戦時下の陰気を払うべく、ミュージカルがどんどん作られていたそうですが、スタジオが様々な撮影で塞がりリハをする場所がなく、ハリウッド墓地内にある葬儀場の一室で様々なダンスを編み出したそうです。

葬儀の一行が到着するたび中断…となる状況の中で、これだけ楽しいものを作り上げた当時のプロ根性、やっぱりさすがだと思います。

<2014.2.17記>
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