このレビューはネタバレを含みます
息子が犯罪者になるか被害者として殺されているか、その葛藤。そして周囲が勝手に決めつけて、憶測することへの警鐘が描かれていた。
今回ただしは被害者だったけど、あの状況だったら犯罪者になっていてもおかしくはないと思った。もしあの時ただしが刃物を持っていたら?使わなかっただろうか。
でも妹にお守りあげたり、お父さんの言葉をちゃんと覚えていたり、とても優しい子だったんだと思う。優しいが故に殺されてしまった。
建設会社の社長や倉橋さんの祖父からの言葉が痛かった。
日常を手放したくない父親と、元の生活に戻れなくても息子に帰ってきてほしい母親。ラストで息子はいなくなってしまったけど、何事もなかったように元の日常に戻ってしまった家族を見て、どっちが良かったかなんて分からないと思った。お母さんの「息子に家族は救われた」ってセリフが深い。
きちんと結末まで描いてくれて良かった。