カポック

望みのカポックのネタバレレビュー・内容・結末

望み(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

息子が加害者か被害者か…犯罪に巻き込まれた高校生の、家族の苦悩を描く物語。

結局息子は被害者であり、殺害されるという悲しすぎる結末だったが、「規士が加害者だったら、一時はほっとしたかもしれないが、その後一家は苦しんでいたと思う。私たちは規士に救われた。」という旨のことを、規士の母が吐露していた。規士が生きていたとしても、一家は生涯苦しむ羽目になっていたことを考えると、なぜ息子が被害者になり犠牲になるか、加害者になり家族が苦しめられるか、の二択しかなかったのだろうかと思う。

つい先日も、某事件の犯人の娘が自ら命を絶つ事件があった。確かに凶悪な事件ではあったが、加害者家族の気持ちを考えると居た堪れない。果たして、直接事件に関係がないのにも関わらず、生涯苦しみ、自ら命を絶つにまで至らしめられる必要があるのだろうか。でたらめに事件の真相を憶測し、関係のない人に罪をなすりつけ、無闇に批判することが、如何に多くの人を傷つけることになるか、考えさせられる映画でした。