このレビューはネタバレを含みます
私自身が親ではないので親に感情移入というより、子どもの方の視点で映画を鑑賞。
子ども視点に立てばイラつくことの多いこと…
・勝手に部屋に入り部屋の中で物色
・自分の部屋に知らない人が定期的に入ってきて愛想を振りまくように指示される
社会への体裁や世間体を気にして子どもの心情を一切考えず行動する親。
中盤に入る前に長男は失踪し、被害者側か加害者側かどちらか分からなくなる。 SNSでは、加害者のような書かれ方をして私刑を何の証拠もないのに受ける残された家族。
罪は決まっていなくても SNSが発展した現代では、このような形で責められるというのがよく分かる描き方の数々がリアル。
そして、父親と母親に娘のそれぞれの心情が手に取るように分かるので理解しやすい。
父親は残された家族の為に息子が"被害者側"である事を望み、母親は自分がどんな困難がこの後待っていようとも"加害者側"である事を望む。
その後、父親の心境の変化のキッカケが観てる此方側にも理解でき共感もできる。その描き方が作品としての完成度を上げている。
父の言葉は息子に反応がなくても届いている。
現代の我々こそ他人事ではなく観るべき良作。