影屋れい

ドント・ルック・アップの影屋れいのレビュー・感想・評価

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)
3.5
『ドント・ルック・アップ』。…1910年にハレー彗星事件という物がありました。昔々のこの事件、彗星の接近で地球上の空気が5分間、無くなると言われた。そのため自転車のチューブや氷ぶくろに空気をためておき、それを彗星の接近時の5分間に吸うという方法が助かる手段と多く流布された。結果、多くの需要が集まり本来、安価な氷ぶくろが何百倍にも高騰してしまい、貧しいものはチューブや氷ぶくろを買えなかった…。

そんな事件を基にしたのか、今も昔も変わらないであろう人々の世相を大いに皮肉った作品。

観ていて笑えると言うよりも正直辛い。
何とまぁ、愚かしいことか。生存の可能性よりも富を優先とする醜さ。捕らぬ狸の皮算用とはこの映画のためにあると言っても過言ではない。

そんな馬鹿な事があるか!いざとなったら現在の人類は一丸となって危機を回避出来るさ!などと笑いながら鑑賞できる内が華かな…と複雑極まる映画でした。

それにしてもレオナルド・ディカプリオ、ほんとに太りましたな…。
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