影屋れい

オルカの影屋れいのレビュー・感想・評価

オルカ(1977年製作の映画)
4.5
『オルカ』。何度観ても恐ろしく、物哀しい。この作品は所謂《アニマル・パニック》と称されるが、私は違うと思う。これは純然たる《復讐劇》に称される側だ。
妻子を殺された《オルカ》の憎しみの込もった《目》が何とも恐ろしい。…と同時にあの様な哀しみをたたえた《目》が他にあるだろうか。《アニマル・パニック》と言うカテゴリでは治まりきれない情緒ある作品だ。
《人》が犯した罪…自業自得ではあるが、主人公にも些か同情を禁じ得ない。やはり《食す》以外で殺生を行うのは禁忌であると改めて思わせる業の深い作品だ。
それを踏まえて劇中の科白「動物も罪を犯すのですか?」と問う場面はそれをより深く考えさせられる…。
影屋れい

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