笑えない理由のひとつは、不快さが足りないんだと思う。
アリアナグランデのコンサートは、もっとみっともない「大惨事」になるべきだったんじゃないか。あそこで、長々と歌うことが十分「やらかし」だとでも? 接待にしか見えなかったけど。
それを言うなら、ケイトブランシェットの、セックス依存症の、大金持ちの家出身の、人気司会者の、最後の数時間の過ごし方は「飲酒」でいいのだろうか。
群衆の暴力ギャグや自暴自棄ギャグもなし。
メリルストリープもジョナヒルも、その役柄はまったくの設定止まりで、見せ場とかやり所というものがなかった。この人の脚本は、役者がよっぽどアドリブでおもしろくやってくれないと、どうにもならないんじゃないか。
お話のほとんどはディカプリオとローレンス主人公二人の視点で描かれるのだけど、全ての意思決定や、方向転換が、彼らの見ていないところで行われるもんだから、決定的瞬間もないし行動もないのが根本的にまずい。
そういえば、予告編では面白そうだった、ジェニファーローレンスが、頭に銃を突きつけられて制圧される場面、まったくいらないシーンだった。
エンドクレジット終わりにあんなに笑えないおまけがあるというのもすごい。