このレビューはネタバレを含みます
鹿が止め刺しされる直前、キューン!て悲しい声を出したのが心にズシンと響いたんだけど、その後見た害獣焼却炉で何十頭もの猪や鹿が食べられもせずただ焼かれて産業廃棄物として処理されていく方がもっと心が痛んだ。
もう人間と獣がこの世に共存していかないといけないのは決まっているのならば、せめておいしくいただきたいなと私は思ったのでした。
元々子供の頃から通っているフレンチレストランがあって、物心ついた頃から私にとって牛豚鶏兎鹿羊は平等に「おいしいもの」だった。
でも兎をペットとして飼っている時も、そのレストランで兎を食べてた。そのことを兎に話すこともあったし…いま思うとやばい子どもだけど…
だから同居人が「俺狩猟をやりたいと思ってるんだけど」って話してきたときも、「お家で鹿が食べられるのいいな」くらいの気持ちでいいんじゃない?って答えたのを覚えてる。
毎年猟期が始まると同居人は鹿やキジや猪をとって帰ってくる。今までも美味しく食べたくてフレンチの教科書を紐解いて勉強してはいたけど、もっとレベルを上げられるように頑張りたいなと思った。それが多分猟師にはなれない私なりの野生動物との向き合い方だ。