さすらいの旅人

ナイト・ウォッチャーのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ナイト・ウォッチャー(2020年製作の映画)
3.2
自閉症の青年が巻き込まれる「裏窓」的サスペンス映画
【VOD/Amazon Prime/配信視聴/ビスタサイズ】

「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダン主演のサスペンス映画。
自閉症だが盗撮技術にたけている主人公が、勤務しているホテルで視聴中に殺人事件を目撃し、事件に巻き込まれる物語。これはヒッチコックの「裏窓」やデ・パルマの「ボディ・ダブル」等でも使われている王道シナリオだ。目撃した主人公はパニックになり、自分の葛藤に悩まされることになる。お決まりの美女も登場し、ラブロマンスの匂いも入れている。

ただ、主人公が自閉症という設定が本作の狙いと思うが、サスペンス映画としては集中して観るには忍びない映画だった。まず、ハラハラドキドキするシーンがあまりなく、平坦で間延びするシーンが多いためだと思う。過去の王道作品はカメラワークや盛り上げる音楽で観客をサスペンスの世界へ引きずり込む。自閉症と言う特殊な症状を活かし、それがキーポイントになり想定外の展開になれば話は別だが…。

評価できるのは白黒のビデオ画面と現実の日常生活を混在させ、時間軸をずらして描写する映画的センスだ。監督はマイケル・クリストファーで、アントニオ・バンデラスとアンジェリーナ・ジョリー主演の官能サスペンス「ポワゾン(2001)」を撮った監督だ。監督作品として本作は20年ぶりのためか、切れ味が悪かった。
あと、アナ・デ・アルマスのサービスタイムをお見逃しなく。