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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話のaknのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オンライン試写会にて鑑賞しました。

ポスターが訴えかけてくるような、明日からも明るくハッピーに生きていこう系の映画を想定していると日本では期待外れに思う方もいるかも。
決してバッドエンドではないですが、テーマからして映画にはいわゆる重い雰囲気が流れています。

支援する方も、される方も、誰かの助けを必要としています。そうした彼らの支え合いが前提条件としてあるのです。

病院で、投薬のうえ拘束され、それでも匙を投げられてしまうような自閉症の子供たちが、問題を抱え団体に辿り着いた支援員と生活を共にしています。
決して高くない給料で、体を張って彼らに向き合う支援員も、病院や親ですら諦めてしまうほど苦しんでいる子どもの存在で、居場所がある。そんな二面性も描かれていました。

患者と支援員の交流は規則できっちり対処できるものではありません。何をするかわからない子どもたちに、規則だからという言い訳は通じません。
なのに、規則に足を絡め取られ追い詰められる様はもどかしく、団体の名前にもある通り、「正義の声」の重要さをつくづく実感させられます。
自閉症という、自分の意見を主張することが難しい人たちの声を届ける。そんな難しさがこの社会にはあります。
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