レズビアンの主人公が母親からあてがわれた男と仕方なくデートするシーンで、二人が露店のアイスクリームを買い、道端にしゃがみ込んでそれを食べるも、二人の間に会話はなく、その沈黙を強調するかのように露店の店先では客と店員との間に突然金銭トラブルが発生し、追いかけっこがスタート、その際逃げる客と追いかける店員の姿がフレームの外へと向かうもカメラは固定されたまま動かなくて、残された主人公とデート相手男が無言でアイスクリームを舐める姿だけが捉えられているショットが絶妙によかった。そして、客と店員が再び画面内へ戻ってきたかと思えばそのままの勢いで今度は反対方向へと走り抜けていってしまうのもすごい。
あと、ラスト近くで主人公と母親がレストランで食事するシーンの、画面手前のモブの男性たちは逆光で真っ黒につぶれてるのに、紹興酒？らしき茶色い液体は輝いているっていう照明もよかった。

📺

ロングショットメインで撮られた映画はスクリーンで観たくなる。形式に美学を感じる。会話がこまかく丁寧でそこにも物語がある。特にカミングアウトのシーン。生粋のレズビアンたちが登場するというのでちょっと他の同時期の映画から際立っている印象。

水槽越しのショットがあった気がする。
この世界は息苦しい水中さながら。

• #あんころもちのＬ映画