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空白のszkのネタバレレビュー・内容・結末

空白(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます



古田新太の圧力にかなり緊張してたので、観賞後の開放感が凄まじい。

・「土下座して娘が帰ってくるんだったら俺だっていくらでもしてやるよ」

添田は子供を亡くした空虚感、やりきれなさをどこにもぶつけられずにいたんだろうなと感じた。高圧的にあたる事でしか自分を保てなかったんだろうな。
個人的に、自分の親に重ねて学校のシーンなんかはすごくヒヤヒヤした。


・「みんなどうやって折り合いをつけてるんだ」のセリフも特に印象的だった。

娘を亡くして、どうやっても周りの人を許せない、けど許せない自分に気がついたこのシーンで一番人間味を感じた。やはり娘に感情移入していたので、自分と周囲の人を赦せた添田にホッとしたし、そこに気づいてくれて安心した。
娘を亡くしてから徐々に娘の好きだったものや、頑張ってたものに気がついていくのもかなり切なかった。
   

・偏向報道や、善意の押し付けといったテーマもあって、人間らしさが滲む映画だった。

テレビ局も意図的な見せ方をしないとやってけないんだろうし、パートの草加部もDV被害者という背景(冒頭にビラを貼っていた)もあってか善悪に対して強迫的になっていたんだろうと思った。


感じたことをただただ書き殴ったがかなりおもしろい映画で観賞後にここまで興奮できたのは久々だった。
今年の話題作になるのは間違いないだろうし、アカデミー賞ノミネートもありえるだろうな。
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