似て非なるものなんだけど『怒り』を初めて観た時のような感情。
色々な感情をいっぺんにぶちまけられて、終わったあともしばらく立てないやつ。ただし『怒り』は救いのようなものがあったけど、この『空白』はその救いのようなものがない……とにかく重い。ゆえに二度目を鑑賞するのは数年後とかにしたいレベル。我々の中にも生まれる「空白」…。
オープニングとラスト以外は、ほぼBGMもなし。なのに、ずっと画面に釘付け。一人一人の登場人物たちに「ちょっとそれは違うんじゃない?」と突っ込みを入れたくなりつつも「あ、そこは正しいなぁ…」とかとにかく感情を振り回される。
秀逸なのは、事故に関わった様々な人たちが巡り巡って女子中学生の物語に重なっていくところ。「それ、あの子と同じだよ?」「それは、あの人があなたにやっていたことだよ?」みたいに、そこでも感情を振り回される。
キャスティングもいい。とくに脇を固めている人たち。拍手!
あー、久しぶりにこんな感情になりました。