とある女子生徒の事故死をきっかけとした群像劇。
皆どこかしら欠陥があり、決定的に責めたてたくなるような人がいない、あるいは誰を責めるべきか分からない中、娘を亡くし暴走する父親役の古田新太が本領発揮という感じの演技だった。
松坂桃李演じる店長は、悪い人ではないけどどこか表面的でしかないイメージで、それが相手を不愉快にさせるのだろうと。
母親役の片桐礼子、この方の演技も素晴らしく、あの声の出し方も表情も圧巻。
日常に溢れている喜怒哀楽の温度差についてずっと考えさせられた時間。唐突な事故死、気持ちの整理なんかできるわけもなく、皆言葉で取り繕うが、結局のところ私たちは見たいものしか見ないし、都合のいいようにしか考えないことが多い。だから予期しないところに急に現れる自分と真逆の人に気づかされることがあるんだ。
全員が納得いくことなんてないんだけど、それでも向き合うってことが大事なんだって、そうすれば小さくても出口は見えてくるんだって思った。
空白ね、空白だわ。
