かず

空白のかずのネタバレレビュー・内容・結末

空白(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

食後に観たんだけど、内容がキツくて本当の消化不良になりそうだった。内臓の動き止まったかと思った。

なんか聞いたことあるな?と思ったら、川崎で実際にあった事件から着想を得てるらしい。
本屋で万引きしたらしい高校生が逃げて踏切超えて電車に轢かれて、本屋の店長がバッシング受けて本屋が閉店に追い込まれたと。

この作品は、そのなんとも言えないストーリーを追う、というよりは、その背景にあったであろう人々を描いてた。

パワハラおやじにモゴモゴ店長と正義感おばさん、そして事実歪曲切り抜きマスコミ。
特に正義感おばさんは、善意だし相手を思ってるし、悪いとも言えないことだからキツかった。
もちろん相手の気持ちを考えないことはよくないけど。

所々ハッとさせれた。
「それはずるいっすよ。死んでから理解者ぶるの」
みたいなセリフ、痺れた。
分かってあげようという気持ちが、「ずるい」になっちゃうのか、、分からないことはない。
けどじゃあ分かろうとしないことが正しいのか、、

おばあさんの「世の中、そんな悪いもんじゃないよ」ていうあったかい言葉も、あの場面では何の意味もなさない、むしろ地獄のような言葉だったわ。

そして、パワハラおやじの「なんかもう疲れたな」に全て詰まってたな、、。

胸糞悪すぎる終わり方するのかと思ったら、なんかいい感じに終わったように見えた。
説明的じゃない分、また見たいし、見るたび味が変わりそうだなと思った。
かず

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