Yuki

空白のYukiのレビュー・感想・評価

空白(2021年製作の映画)
3.0
期待し過ぎたのかな
ノれなかったーーーーーーーーーー

テーマと言わんとしてる事もずっとわかるのに、上手いことツボをズラされてノれなかった。。


その本質は結局
この映画の「わかりやすさ」かな。
本当に少しの匙加減で単純化しちゃっているというか

リアリズムを求めてるわけじゃなくて
映画としての最低限のリアリズムを感じることができなかった…
作り物感……

今生きてるこの世界は
常にずっと複雑で、
無限のいろんな情報を含んでる。

自分の痛みがどこから来てるのか
わからず

“社会”で良いとされてるから
そこに外れた自分も周りも痛めつける

それでも社会は社会を否定しきれないようつくる。
その社会に合わせるように画一していく
それを自ら選ばせる(ように錯覚させる

否定する術や力は与えない社会

本当の自分。というより
人間が本来どういう生き物か
しっかり掴めたら
自ずと自分の感覚がどれれだけ正当かもわかる筈だとは思うけど

そんなことはこの資本主義の世の中で
学校や会社じゃ当然だけど教えられない訳で。ヒントさえ転がってない

(そこで指針にするべきはただそんな世界に放り込まれる前の“自分”を信じるって事だと思うけど。


そういう世界の残酷な部分を
もっとそのまま切り取れば良いような描写を
本当に少しだけわかりやすく伝えるために本来の意味を狭めて誇張してる気がした。

その差の違和感のせいで
出てくる役全員が作り物に見えちゃった

登場人物のバックボーンが
見えそうで見えなくて
“そういう人間”かと思ったら
“そういう人間”とは思えないようなセリフや行動で、
脚本の都合通り生きてるようで
”演技をしてる”っていう違和感

登場人物が画面の中でその人らしく
自然に生きてる感じがしなかった。
らしさがずっと表面的な部分しか目につかなくて、最後まで掴めなかった。

リアルな痛みやリアルな救いを描こうとしてるこの映画だからこそ、作り物に見えちゃった。そこだけ。
それがこの映画としては全てなのに。

だから結局、
救いの描写も痛みの描写も全部のめり込めない部分が強くなっちゃった。

取り巻く環境の描写に違和感を感じたから

主人公やフォーカスされる人間たちの感情の揺れ動きも違和感が大きかった
Yuki

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