自分のエゴを優しさだと思い込んでいる人の方が凶悪になることがあるということが丁寧に描かれる。
登場人物たちの中には真の悪役はひとりもおらず、全員自分の中の「正しい善」を行っているはずなのにずれていってしまう。それによって他者、自分も追い詰めていってしまう。
ちゃんと優しいのが弟子の漁師と、焼き鳥弁当好きの運転手。
気性の荒い父が、娘のことでスーパーの店長をもちろん責めるが、父は実は娘と向き合っていなかったという真実。娘が亡くなってから初めてちゃんと娘と向き合おうとする姿は、切なく報われない気持ちになるが、ラストでなんだか救われた