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のさりの島のsoftmachineのレビュー・感想・評価

のさりの島(2020年製作の映画)
3.5
オレオレ詐欺目的で電話してきた男を孫としてすんなり受け入れるおばあちゃんと、すんなり居着いてしまう男というプロットは、どこかで観た気がするのだが思い出せない。
すっとぼけたおばあちゃんやブルースハープの少女にちょっとジャームッシュみを感じてなかなか良かった。
そして祖父母も東京故に故郷のない私が(東京はパブリックスペースなので、故郷を感じることはできないということはあまり理解されてない)今まで見た中で一番ふるさとを感じさせる映画だった。

かつて栄えていたであろうシャッター商店街を見ると、地方の人が都会に出て行ってしまうのが実感として理解できた。(今日通りがかりに見たハモニカ横丁もシャッター商店街と化していたので悲しかった。理由違うけど)
とは言いつつ、美容師の子みたいに自分も確実に出て行くタイプなのだろうとも思う。

藤原季節は、気のいいクズ役が本当に上手いし、失礼だけどよく似合う。何作か見ているけど勘のいい人なんだなとつくづく思う。そしてお茶目。
最後に洗濯物を干すシーンで、彼が屋上ではなく部屋にかけているのを見た時は泣きそうになった。
映画としてはちょっと輪郭がぼやけてるかな。
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