三上ぱんだ

ミッドサマー ディレクターズカット版の三上ぱんだのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

待ってたぜネトフリ。ありがとう。
散々色々言われてたからとても楽しみにしてた!
もちろん初見はディレクターズカット版を選択。

こういう系統はあまり好まないので普段はしないけど大体読めていたから、あえて本作は最後までのあらすじと考察を軽く読んだ上で鑑賞。
絶対に全て知った上で見ても素晴らしいはずと思ったのもあるが、やはり想像を超える良さだった。

『ヘレディタリー/継承』の時もだけど、静と動の音響演出、ゆったりとして美しい不安を煽る画が素晴らしかった。静謐さで描いているからこそ静かな嫌悪感と焦燥感が連なって見惚れる映像体験になっていると思う。
正常から徐々に狂気へのめり込んでいく様を描くのがほんと巧い。
気づいた時にはもう遅く、その只中に居て戻れない感じ。
めちゃくちゃ好き。
あらすじだけ文字で見た段階ではあれだけおどろおどろしいのによりもいざ映像で見るとすごく見やすいのも、その辺の描写の巧みさにあると思う。一度も止めたいと思わなかった。非常に荘厳。
各々の旅行者たちの遺体の表現や裁き?も美しいし、最後に燃やされるところなんかは『ヘレディタリー/継承』のラストと同じくらいカタルシスがあって感動した。不思議とまったく嫌な感情が起こらないんだよな。むしろ今回はダニーに感情移入するからすかっとすらするw

メイクイーンのあたりから一気に本性表してくるが、よくみると顔や景色や植物までもぐにゃぐにゃ歪んでたり戻ったりしてるのすんげえ怖くてよかった。

元の生活で辛そうだったダニーが幸せそうですげえいいなと思う。見方は一つじゃないし、幸せの形もひとつじゃない。自分にとっての幸せな場所が得られるなら、これほどいいことはないのではないか? 現実は辛いことばっかりだしね。
きっとダニーならこの村で生きていけるだろうし。
『ヘレディタリー/継承』でも同じような感覚があったけど、我々が外野でみるより当の本人たちが幸せみたいな感じ好きなのかね。
ホアキンとのアリアスター次回作もどんな悪夢を魅せてくれるのか。非常に楽しみだ。
三上ぱんだ

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