HidekiIshimoto

街の灯のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

街の灯(1931年製作の映画)
5.0
チャップリン映画の中でも特に忘れ難いあのラストシーン。最初から腹から笑わされ続けてるのにあのシーンが近づくにつれ鳩尾がキューンとしてきた。で「you?」のセリフでやっぱり涙腺大決壊。ヒロインはついに見えるようになった恩人の姿が、観客には滲んで見えなくなってしまうという奇跡のシーン。改めて観たらその時のチャップリンはチャップリン史上でも特にボロボロのみすぼらしい姿で、トレードマークの山高帽まで無残に破れていた。なんという残酷で優しい映画か。新自由主義格差地獄のはるか前から最下層を演じてたチャップリン。タイトルロールの役名はtramp(浮浪者)。キリスト教のアメリカなんだから聖フランチェスコあたりが元ネタにあるんだろう。でもうすぐ世界最高層に返り咲きそうな男の名もトランプ。で自称キリスト教徒。神さまとやらはずいぶん皮肉なギャグがお好きなようで。