なごやん

Swallow/スワロウのなごやんのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

記録用

ネットの評価が割れてたので恐る恐るでらたったけど、個人的には無茶苦茶面白かった。

まず本作は色の使い方、カラーリングが凄い。オシャレなパステルカラーで画が構成されていて、主演のヘンリーベネットさんの演技やビジュアルも相まって1シーン1シーンが全部絵になる。ただ後半になっていくにつれて落ち着いた色になっていくことで、ストーリー展開や主人公の気持ちの変化を、画面全体で表してる。

異食症という凝ったテーマではあるが、描かれているのは自己愛と優しさ。自己愛に関しては女性ならではというのを強く感じたが、男の自分でも十分に理解は出来た。優しさに関して、夫やその家族を「お、割と良い奴やん!」と思うシーンがちょくちょくあるがつかのまで、全員子供が大切なだけ。夫の妻に対する優しさのような無関心さ、思い通りにいかないと自分が抑えられない様子が上手く描かれてる。ただ反面でお手伝いさんのベッドの下に一緒に入ってくれるシーンでは本当の優しさというものはこういうものだというのが出てる気がする。相手と同じ目線に合わせることができる人は素晴らしいね。ただ自己愛はあくまでも自己の為のもので、彼女が腹の中の子供を何とも思ってない(中絶は躊躇なし、子供ビデオ中にお菓子、なにより異食症)のも余計に自己愛というものを強調している。

そしてラスト、これまでのシーンとは打って変わって、地味な衣装にトイレという舞台で映画が締めくくられる。序盤との対比が凄まじい。全体の構成としてコントラストが上手く使われているのがとても印象に残っている。

結論:自分らしく生きよう! っていう映画
ただ構成や対比、カラーリングと魅せ方が素晴らしい。主演のヘンリーさんも最高
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