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蒲田前奏曲の遊のレビュー・感想・評価

蒲田前奏曲(2020年製作の映画)
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渡辺紘文フリークとして鑑賞

1.2.3と積み上げてきた連作オムニバス企画の趣旨を全部破壊するような4 それを最悪と捉える向きがあるのは分かるし、これこそが複数作家のつくるオムニバスの醍醐味であるとも言える、この渡辺紘文の4があるからこの映画は他のオムニバス映画の列からはみ出た特異な企画になってると思う

ゴダールもジャームッシュもカウリスマキも長編は素晴らしいが、オムニバスに参加したときの短編は変に企画テーマに合わせちゃっていまいち持ち味が出てない、って監督自身が最初に言っておいて 自分は企画テーマ完全無視(のように思える)で完全にいつもの自分の作風でやってるのカッコ良すぎる笑
そういやペドロコスタもそうだったな

というか1も監督のやりたいポエムカマしでテーマに沿ってるとは言い難いから似たようなもん
2はめちゃくちゃ分かりやすくまとまってるけど、そのために設定も展開も台詞も無理やりで白々しすぎる感はある、でも何をやっても上手すぎる伊藤沙莉が全ての違和感を乗り越えていた、明らかに不自然な台詞を伊藤沙莉がずっと自然に言っていた、最強の役者を使えば不自然な脚本もなんとかなるんだと再確認して感動した
3はめっちゃくちゃ面白かった!!!!ハラスメント問題に切り込む映画のオーディションに来た役者がその監督にハラスメントされたことがあるって設定がもう引き込まれるし、一面的に描かないところもオーディションの場面も最後の落としどころも、短編として理想的だった!!!キアロスタミにエンタメ要素も入ってるみたいな凄さ
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