実験4号

ハッピー・オールド・イヤーの実験4号のレビュー・感想・評価

3.5
コロナ禍出口がまだ見えない現在、あああ、タイに行きたい!!!とまず思ってしまった。
11月、12月の真冬に半袖、ノースリーブ、羨ましい!!!!

色々色々わかりすぎた。
モノを捨てる行為は、ある時はストレス解消にもなるし、ある時は区切りをつけるために必要な行為だ。だけど、捨てるのが難しいものもある。特に誰かからもらったものは捨て難い。あまり着ていない衣類も後ろめたくて捨て難い。想い出が蘇るものも捨て難い。私たちは日々そうして身の回りのものを増やしながら暮らしている。
そんな中で、突如現れた断捨離、ミニマリズムの思想。この映画の中ではこんまりメソッドがその代名詞のように出てくる。ときめいたものを捨てずに、捨てるものにはお礼を言って捨てる。
たしかに捨てることが苦手な人にはこのメソッドは有効かもしれない。

余計なものは捨てたいし、静謐な空間で暮らしたい(仕事したい)という気持ちと、慣れ親しんだもの、ずっと自分のものとして存在していたもの、誰かが贈ってくれたものに囲まれて暮らしたい気持ち。誰もが自分の中でせめぎ合っているのではないだろうか。

でも、それが無機質な物であれば許されても、心のある人間相手であった時、同じように簡単に捨ててもいいのだろうか、とぼんやりと映画は問いかける。

見終わったあと、部屋をきれいにしよう、という気になった。

欧米でも日本でも韓国でもなく、タイ発信の映画、というのも滋味深く、見終わった後も沸々といろんなことを考えさせられる。
実験4号

実験4号