FREDDY

スカイ・クロラ The Sky CrawlersのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

平和を実感するために“ショーとしての戦争”が行われる中、思春期のまま戦闘機のパイロットとなることを余儀なくされた通称“キルドレ”たちの運命を描いた、押井守監督が手掛けた長編SFアニメーション作品ということで。まず触れたいのは、本作はとにかく説明不足で物語の背景があまり見えてこず、登場人物らは言葉数少なめで感情に起伏がない上に、思春期を過ぎてから成長が止まり、永遠に生き続ける「キルドレ」と呼ばれる存在にも焦点が当てられ、"表面上の出来事"は見ての通りで理解は出来るのだが、詳細がいまいちピンとこないので出来事の"裏付け"が難しい。それでいて描かれている物語も淡々としているので、本作に魅力的なものを感じる前に退屈で挫折してしまう人もいるのではないでしょうか。あと、どうしても気になってしまうのは、違和感でしかない声優陣。草薙水素や函南優一などといった主要人物を演じた菊地凛子や加瀬亮の声の演技がどうもキャラクターに馴染んでいないと言いますか、お世辞でも上手とは言えない程度のものなので、感情移入は到底無理かと。ただ、戦闘機での空中戦は迫力があり、映像に関しては申し分はないですし、前文で触れた「キルドレ」という不思議な存在から"永遠に続く日常"という題材を導くことができれば、無機質に感じた物語の印象がガラリと変わり、考えさせられる面白さが。本作は人を選ぶかもしれないが、個人的には最後まで楽しめましたね。劇中で使用されている音楽も印象的で良かったと思いますし、少々オススメは難しいかもしれないが、観る価値はあるかと。
FREDDY

FREDDY