一つの世代を象徴するというか、一定の年齢層の人達の中でも決して少なくない人数にとっての共通言語のようになっている劇場アニメ作品っていうのがあると思うんだけど、自分(或いは自分と同世代の人々のうちの一部)にとってはこの作品がそれに当たる。『AKIRA』でも『パトレイバー』でも『攻殻機動隊』でもなく、この『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』が、最も救いようのないレベルで想い出補正のかかってしまっている作品。当時、中身はともかく、見た目の年齢に関してはユーヒチやスイトとちょうど同じくらいの頃に観たせいで、ジュブナイル的な物として楽しんでしまった。けど今改めて観てもさほど感想は変わらない。生死、取り分け「死」がテーマなのは明らかとはいえ、ユーヒチ(ジンロウ)とスイトの関係にやっぱり一番目が行く。ベロンベロンに酔っ払いながら泣き言を吐くスイトの姿がどうしようもなく愛おしく思える。
