柏エシディシ

ザ・ビートルズ:Get Backの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)
3.0
約8時間!そういうところだぞ?ピージャク!と当初は思ったものの、見始めてみると、や、コレは確かに切れないな、と。
それぐらいビートルズファン垂涎、感動、狂喜の瞬間瞬間で出来ている。
見たいもの、見せたいものを繋げ残してみたら結果8時間になってしまった。みたいな。
映像、音声も50年以上前の素材とは思えないほどの生々しさ。
「彼らは生きていた」でも世界中を驚かせたデジタル技術を存分に活かしたのであろう匠の技。
もう、ありがとうピージャク。としか言いようがない。
(でもさすがに長いので、1週間くらいに分けて鑑賞した)

解散に向けた悲壮なGet back/Let it beセッションという有り体のロック史の定説を刷新するリアルがここにある。
確かに、ジョージが不満を吐露しセッションを離脱する瞬間と緊張感も、巨大なプレッシャーと長年のバンド活動による倦怠感と疲労感も克明にドキュメントされている。
しかし、それと同じくらい少年時代から共に歩んできた親友であり、音楽を共に作る仲間であるという、繋がりを感じさせる煌めく様な瞬間もたくさんカメラは捉えている。
そのことに胸が熱くなる。
そしてビートルズであっても、未だ20代の若者に過ぎなかったという、当たり前の事実をも思い出させてくれる。
青春のエッセンスとしてのロックバンドの終わりの記録。
そのほろ苦い物語の最終章。

残念ながら音楽の技術的な側面に関しては浅学な為、その辺りからも興味深い瞬間が豊富にありそうだと推察するに留まる。
筋金入りのビートルマニアでも驚嘆ポイントが豊富にある筈。
今のところ「ハミルトン」と共に、ディズニープラスに加入したら絶対にハズせない鉄板コンテンツである事は間違いない。
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