優しさとお節介の違い、正しさは人を傷付けることがある。そんなこと考えながら観た。大庭監督のキュクロプスが好きだったので観たのだけど、この映画はもちろんそれとは全然違うが登場人物たちが背負っている孤独感みたいなものの見せ方が独特で大庭監督っぽいのかなあと思った。そしてとにかく辛い。お互いを想うからこそなのに上手くいかないことばかりで。
萩原慎一郎さんという歌人の歌集をもとに作られた映画だったそうでラストにその中の一首が出てくる。
きみのため
用意されたる滑走路
きみは翼を手にすればいい
映画を観たあと、この歌集を買った。萩原さんは辛くてもそれを短歌にして詠み続けていたのにどうして自ら命を絶ってしまったのかは分からない。
知らなかったのに勝手だけど、生きていて欲しかったなと思った。今のこの世の中をどう詠むのかな。