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滑走路のカーネルのレビュー・感想・評価

滑走路(2020年製作の映画)
4.3
追記あり
無くしたと思っていた当日鑑賞メモが見つかったので、1番下に追記として保存。

歌人萩原慎一郎の存在は彼がいなくなってから知り、ずっと引っかかっていた。のちSKIPシティ絡みでの映画製作の話を聞いてから歌集を拝受。
彼の事を色々と知ってしまった後なので、歌集には引っ張られっぱなしで少々ヤバかった。
だからこそ、映像としての『滑走路』への期待はかなり大きく、救いを求める先に。

今作が商業映画デビューとなった大庭監督。筋を持ったストーリーがない歌集を原作にする企画でコンペを勝ち抜いたという。
監督が歌集に抱いた眩しさ。そこへ3人のメインキャストと共に、さらに繊細な感性と熱さを加えてくれた。
特に学生役の寄川歌太と木下渓、池田優斗は特筆に値する。
そして社会派ドラマの浅香航大は本当にいい。それも多様な役柄をこなしているからこそか。そして坂井真紀演じる母の素晴らしくも悲しい表情は歌人萩原慎一郎に何を詠ませただろうか、と想像させる。

触れておきたいのは画が綺麗な事。
ロケーションも良かった。上からのショットが抜群のセンス。あの天野さんが描いた絵もNICE。(制作:すぎやまたくや)

今作の脚本は桑村さや香。町田啓太狙いで観た18年『OVER DRIVE』もこの方が脚本担当。更に撮影の川野由加里は、アノ井筒監督『無頼』でBカメ担当している!
私には縁がある。

追記----------当日鑑賞メモ
映画を観てこんな感情を持つのは初めてかもしれない。涙は坂井真紀が鷹野に、忘れてと言ってあげられなくてごめん、と言ったところで。
あとは、とにかく苦しくて苦しくて。胃が?胸が?心が?痛くなって、動悸が激しくなって。
やはり私的には鷹野に入ってしまった。浅香航大だからというわけではないと思う。展開を見せる前、オープニングから観てて辛くなった。
浅香航大は
チェリまほとか今はコメディも弾ける役もやってるけど、TV宮本から君へ、でも見せてくれたがハードな役でこそ良さが出る、演技巧者だ。桐島の3人はそれぞれ成功しており嬉しい限り。
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