閉塞感で息が詰まる映画。
結局結末まで救いは無い。
若手厚生労働省の其の場凌ぎの答弁等、上司に指導を受けて忙殺されているのに、いきなり自分と向き合う時間ができている理由がわからない。
時折起こる地震の演出の意図もわからない。
先行きの不安を煽るなら、悪手だと思う。
中学生時、鷹野を助けたシュンスケは立派だが、何の勝算もなく助けたのだろうか?
雑魚は置いといて、ボスキャラだけを殴り倒せよかったのに。母親を心配させたくないのは分かるとしても。
いじめを受けた為、社会にうまく適合できなくなったからといって、25歳で自死を選ぶ事はいけないと普通に言えない世の中になっている事は、まさに深刻だと思う。
この時期を乗り切れば、明るい未来も期待できる確証があるなら、そんな絵空事も真顔で言えるのに。
色々なストレスを回避して、脆弱になった精神性に、この世の中の展望の暗さへの耐性は期待出来ない。
私自身は若い頃、色々あって旅に出た。
インドに行った時、人々の死生観と自分を比べて其の眼に宿る生命力に当てられて、今を生きている。
生きている事自体だけで、すごい事だと思い知らされたからだ。
社会的同調圧力の強い日本の、更に学校では、耐えることも必要だが、世界を50ヵ国旅して思った事は、日本に生まれついたという事は、不幸よりも幸福の方が大きいということだ。
卒業した後、どうしてもというのなら、世界を旅してみるといい。
自分を縛っていた軛が、如何につまらないものかを思い知るだろう。
この世との訣別は、そのあとでも決して遅くはない。
とは、言えると思う。