otomisan

太陽のならず者のotomisanのレビュー・感想・評価

太陽のならず者(1966年製作の映画)
4.0
 フランス語はとんと分からんが一見して「ならず者の太陽」かと思う。もちろん映画を観ての事だ。
 堅気になり切れないギャバンの旦那、辻のはす向かいに米軍給与が5億F.と聞けば強奪プランが湧くのも自然の成り行き。覚えがあるだろう、なんだって計画のかたちを成す間が何より楽しい。だが、そこに古い悪仲間、軍医のジムがつるめばウソだってほんとになるし、そうと知って横取りを目論むのもヤクザ界の面々の常道だ。
 お天道様をまともに拝めない旦那に軍医に横取りアンリ、3人それぞれの「太陽」がカミさんにかっぱらいベッティにおっかさんというわけで、こいつらが男3人を日頃あっためても呉れるし命取りにもなる。その辺はとくと御覧じろ。
 旦那と軍医の経歴を聞けば、フランスが在外領土を失い、本国に逼塞する経過に合わせてドメスチック化したわるい男どもの振り捨てが利かない女との関係が悪さを断ち切るきっかけにも、身を亡ぼす足枷にもなるという次第だ。わるい奴は肝に銘ずべきだ。なんて調子こいてると、あの横取りアンリにしてあのおっかさんから鉛玉を食らいそうだ。
otomisan

otomisan