otomisanさんの映画レビュー・感想・評価

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野性の葦【HDリマスター版】(1994年製作の映画)

4.1

 高校生四人、女が一人であとは男、これでどんな人間関係が成り立ってゆくだろう。それを左右する、とまで言わないが彩るのはその現場がフランス南部、パリとは歴史的な確執を下地に残していそうなトゥールズ近傍の>>続きを読む

宮澤賢治 -その愛-(1996年製作の映画)

3.7

 賢治の後ろめたそうな感じが一家を不幸に引き摺りこむようで息苦しい。実際、賢治はあの通り親不孝を自らに課すように不摂生に励んで死に急いでしまう。
 考えるまでもない、賢治は必要もないのに劣悪な生活環境
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デリカテッセン(1991年製作の映画)

4.0

 むかしむかし、うまい肉と言えばクジラと決まっていたが、それは牛なんて滅多にゃ食えなかったし豚はさっぱりうまくなかったから。なんで不味いかと言えばろくなエサを呉れてないから。アメリカじゃトーモロコシな>>続きを読む

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)

4.1

 原作者フォスターとは、この物語では高等遊民的シュレーゲル家に属する格好だ。すると、落ち着き払った様子のマーガレットも矯激なヘレンもフォスターの分身のようなものだろうか。
 現世のフォスターひとりでは
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サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.0

 未来が過去に干渉するというなら甲本瑛太が「田村」に改姓すると言い出すに至ることこそ大干渉の成果だろう。一方でパラドックスが起きないように人生最大級に頭を回転させても、逆に「ヴィダルサスーン」的になん>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

4.3

 ひとり居となる母親を慮って娘は結婚を先延ばしに捉える。その娘ももう24だそうで、周囲の者がざわめきだす。すなわち、アヤ子君(娘)は秋子さん(母)が大学の寮友三輪に嫁いだ齢よりもう上にいってるんだ、と>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

4.0

 その、三悪人がかの秋月党の野郎どもなら山名勢は聖戦士とでもなるのか?
 なにしろ戦国時代だから、隣国秋月を打ち破る事の理非は訊ねようもないが、負けた秋月はもう史書を編む余地などない。だから三船以下三
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Naked Singularity(原題)(2020年製作の映画)

4.0

 アメリカに限らないだろうが司法の世界の一部には「特異点」があって、それは国選弁護人なんかに頼らざるを得ない容疑者たちには「収監」と呼ばれている。
 司法というブラックホールに嵌って、いくら無実を叫ん
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バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

4.5

 元を糺せばコワルスキーがSFへの戻りを急いでいたからなんだが、死ぬほど気の急く用事、それとも相手がいたのか?気付け薬と与太話のついでにケチな賭けを始めて、まさかそれで死ぬ気で急ぐワケもあるまい?
 
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明日はない(1939年製作の映画)

4.0

 言葉は受取り様である。「明日はない」と聞かされては夜の闇に消えたエヴリーヌの辿る先は大方知れている。しかし、息子と昔の恋人を共に偽って手放したこの夜の明くる日を"lendemain"と告げるだろうか>>続きを読む

裸の幼年時代(1968年製作の映画)

4.0

 トリュフォーが判ってもらえない時代から10年、子どもが「厄介者」化する事態は低年齢化しつつあるのか?
 かつてのアントワーヌから2級下、10歳児なせいなのかフランソワの独白がさっぱり聞こえない。これ
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娘船頭さん(1955年製作の映画)

4.0

 美空ひばりがひばり・ひばりしていない感じでいい。それは爺ちゃんの言いつけ通り、潮来の村に馴染んだ暮らしを通しているから、という事なのだが、きっと心の底には別の自分が別の事を考えていたのだろう。だから>>続きを読む

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.9

 R・ギアの役どころは悪く言えばハゲタカ・ファンドの親玉なんだろう。こんな仕組みが旺盛なせいでアメリカでは不健康な会社がサクサク整理されて日本のような失われた何十年なんて事も起きなくなるのだろうか?し>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.3

 波打ち際をそぞろ歩く犬の足取りも心地よげに始まる。あの時代の日本はこの犬ほど自由だったろうか、と考えるべきか、むしろ、いっとき首輪の外れた嬉しさを想像して共感を覚えたろうか。
 それというのも、こん
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.3

 抑留10年を経て戻った東京はさぞ眩しげだったろう。ロシア人が喜久子をこうも長期にわたって拘束したのが何故かはこの物語の筋には関係ないけれど、当時の人なら在露十年ながらおよそ衰えを見せない山田五十鈴の>>続きを読む

エデンの東(1954年製作の映画)

4.1

 やっていい事悪い事の垣根がちょっとずれてるキャルが、なんで親父や兄貴はあんなザマなんだ?と思うようならまだ悪漢として見どころがあったのかもしれない。ところが誰に聞いても親父も兄貴も聖人顔負け、お前が>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.4

 家族の気配がはじめて絶えた深夜、笠教授がおもむろにリンゴを手に取る。これも紀子の置き土産であろうか。そのナイフを扱う手付きに慣れを見て取ったが、実はいつ以来だろう。
 間近に覚えるリンゴの香、リンゴ
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あのこと(2021年製作の映画)

4.1

 妊娠10週目、この7週間アンヌは胎児を殺す事に執着してきたわけだ。その胎児は座高3cm、体重10g、外形は頭、胴、四肢が分化して尾がなくなり手指の形も見えて、内臓諸機関も整ってくるころである。196>>続きを読む

小早川家の秋(1961年製作の映画)

4.3

 のっけから女二人に見合い話が切り出される。片や男の聖地のような道頓堀は「温泉ニュージャパン」の膝元で原節子に森繫「社長」を娶せるというからいかにもそれが下品に映るのが浪速風に面白く、こなた、司葉子は>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.9

 メキシコは「メキシコ合衆国」で議会があり大統領もいる。ならば、軍の最高指揮官は大統領であろうから軍の治安活動に大統領の声明が示されず国防大臣が表に立つのはどうした事か?これは事実上のクーデターという>>続きを読む

2/デュオ(1997年製作の映画)

4.0

 「例えばだけど、俳優として崖っぷち、人間もワルそでサバサバした風だけど所詮感情丸出し、演じてんのか地金が出まくりなだけなのか分からないみたいなやつ。ついでにヒモ暮らし、切羽詰まって『結婚しよ』とか口>>続きを読む

呼吸 友情と破壊(2014年製作の映画)

4.0

 "クラスメイト"を殺し母親に凶行を示唆して、呼吸障害の発作では吸入器にも頼らずひとりで乗り切り、殺人者として自らに、また国家と世間に向き直る第一歩を印せたと感じたろうか?
 しかし、奥手の自分がやり
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好きだ、(2005年製作の映画)

3.6

 ユウとヨースケの人生17年周期説。第一世紀末、産声も上がらなかった「好きだ、」だが、第二世紀末にやっと言葉になって第三世紀に至りその消長はいかに。
 さみしい里の景色と共に置き去りにされたユウの姉も
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.1

 あの暴君ぶり、刃先を握って眉根も動かさない不遜さに憧れてしまう。みんなそうだろう。ただ、我妻には家来がなければ臣民もいない、殴って制圧すべき周囲があるだけだ。ところが見渡せばクビにしようという署長は>>続きを読む

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)

4.0

 貧血少年を狙う吸血少女という趣のところ、少年には同性愛、少女は強姦被害者という背景があって、それが二人のあいだとその周囲、クラスの空気をさざ波立たせる。
 やがて同性愛の件から事が拗れてゆくが、それ
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ゼンタイ(2013年製作の映画)

4.0

 オナラすればわたし。ため息がクサいのもわたし。これが私ならどこで誰とでもやっていける?
 と思うのかどうか。とりあえず、おんなじクサい者同士、あちらはどんなクサいかななんて想像すると盛り上がれるかも
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シン・ちむどんどん(2023年製作の映画)

1.0

 「シン」が何事か全編通じてさっぱり分からない。罪、深、芯、真、心、神、死ん、辛、新、当て字ならほかにも幾らでも当てがあるが、どれがD&Pの狙う「シン」だろう?観衆に委ねるとは思わせぶりが片腹痛い。浅>>続きを読む

夜の子供たち(1996年製作の映画)

3.9

 息子が弄ぶテニスボールが死ぬまであの手から逃げられそうにない。そんな、獲物を逃がさないような顔つきのまま、頭を撃ち抜かれた父イヴァンの葬儀の隙に父が奥の手と隠し置いたワルサーを当然のように一存で相続>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.2

 13歳の女子が詮索好きなのも、同い年の男子が詮索嫌いなのも普通の事だろうし、その歳ぐらいになれば挑戦的に交友関係と活動の幅を広めることも、他人の目を気にすることも不思議ではない。それが幼馴染へのネグ>>続きを読む

スーパーの女(1996年製作の映画)

3.6

 君臨すれど統治せずな津川専務は名前の通りなら五男坊でお調子者、神輿の飾りがお似合いだ。町の一店スーパー「正直屋」を長男でご当地名代の企業グループの大殿からあてがわれてのほほんとしていると、いつしか店>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

 エミリーの「とりあえずセックス」とのあけすけな言、白地があったら黒く塗っちまえ風なのはいけ好かない感じだがあとから笑わされた。その言葉自体もそうなんだろうが、思ったことを明から様に言葉で吐き出してし>>続きを読む

ビンぞこメガネ(2010年製作の映画)

4.0

 ドラゴンも機関車もアルノーを食いたくないから止まるので、彼の勇気に恐れをなしたわけじゃあない。
 そのとき自分が負け犬で、眼鏡を掛ければ「瓶底お化け」の妖怪小僧、眼鏡をはずせば夢見あたまの落ちこぼれ
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黒い家(1999年製作の映画)

3.5

 大竹しのぶのお化け屋敷が恐ろしい。殺ろせば恨んで化けて出るだろう。

恋人たち(2015年製作の映画)

3.5

 心ここにあらぬうちに人を殺してしまったら民事でも敗けはしない?
 アツシ君は弁護士4人に断られて、5人目でやっと取り合ってもらったら、今度は弁護士都合「辛くなっちゃう」のでキャンセルを食らう。公的保
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誕生日プレゼント/誕生日おめでとう(2020年製作の映画)

4.0

 人生七転び八起き、パスカル父ちゃんからのApibeurzdé「あぴぶぉずでぇ」は緊急出動の消防車乗車体験プレゼント。コルシカ人らしくフランス語でなんか祝わない。いい日で終わりたいから調書は明日にして>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.2

 東京は神田のひと、アートギャラリー環の川妻さんはチェコのトーポルのところまで乗り込んで行ったそうで、ずいぶん褒めていたのを思い出す。お加減はいかがでしょうか。無沙汰で恐縮です。橋本です。

 10年
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