otomisanさんの映画レビュー・感想・評価

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珈琲時光(2003年製作の映画)

3.8

 独身最後の夏を過ごす陽子はカスミを食い飽きると肉じゃがが食いたくなる。未来に向かって思考ぶん投げな面々の生存には安上がりで丁度いいかもしれない。
 子どもができるというのに結婚しないと余裕綽々気な陽
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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ(2019年製作の映画)

4.2

 A24カラーがどこか不穏気な、街も海も親し気に映らない。
 四つ目の魚が海を嫌って船縁から飛び込み自殺するのを忘れてはいけないだろう。ジミーとモントの物語とは何の縁もない魚だが、そんな毒の海に臨む町
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.9

 うっかりしているととんでもない話に出会ってしまう。
 三浦三崎にそっくりな街で鉄工所勤めの良太は右足が不自由。これが会社をクビになって、自閉症で自宅監禁中の妹、真理子も抱えていて頼る親戚もなくてどう
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ラストムービー(1971年製作の映画)

3.8

 まさか陰で監督が舌を出してるなんて思いたくはないが、映画に取り込めなかった挿話がどれほどあるのか、その事を監督はどれほど意識してたのか、あるいは前作で二人の人生を中断したような不意の死、実際には今回>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.4

 子どもにだって正義はある。母ちゃんの言いつけに背いても友達が退学になると思えば助けに行かなければ。だから、苦労の末ネマツァデのところに行ってノートを渡したら、あとは大人たちも野暮はよそうぜ、なんて想>>続きを読む

軽蔑(2011年製作の映画)

3.6

 男26にもなると何かとどん詰まり。で、高良も同郷のアニキを頼って新宿にどっぷり漬かったものの、まだ盃も頂戴できずに鳴かず飛ばず。杏の出ている店を襲ったらその足でクニにでも消えろと縁を切られては、堅気>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

4.4

 来世でも出会いたいなんて人がいるのは幸いだ。1936年のR・Fは映画の標題にもなった六重奏曲をSsに託して先立つ。2144年のソンミは先立ったヘジュを追って来世を目指す。そんな彼らだが、実はこの世に>>続きを読む

当りや大将(1962年製作の映画)

4.0

 因果なこっちゃ。釜みたいな土地にいて、生きとるモンは皆ウソつきじゃと料簡せんかったおばはんが真っ当すぎたようだ。だましてチビの帝大資金を着服横領して、おばはんの8年間、18万をいっぺんに使ってしまう>>続きを読む

サムライの子(1963年製作の映画)

4.0

 小沢昭一だもんなー、とか思ってみれば少し慰めになる。映画史に残りそうなくらいのダメ父ちゃん振りを心のどこかが許しているようだ。ところがそれを娘のユミは許せない。そりゃあそうだ、母ちゃんを振り捨てて紋>>続きを読む

追撃者(2014年製作の映画)

4.0

 水と油のような男二人の接触がアメリカ映画らしく軋轢に至る。
 隣人は何十マイル先なんて砂漠ガイド青年ベンが意外や大学に通いだした彼女を見送るなんてのも人間臭くて妙なんだが、油役、M.ダグラスのビジネ
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模倣犯(2002年製作の映画)

2.0

 監督はどんな弁解を用意していただろう。
 話の終わりで「ピース」が老人に子どもを託すにあたって、さも旧悪を詫びる装いで自分の子を善人に導いてほしい、などと伝えるのだが、その言葉の平易さに何の裏も感じ
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.2

 ブラジルではやがてこんな事が起こるという。出来事そのものはよーくわかるが、といってもブラジル人がみても、じゃなんでそうなるのか?すんなり分かるんだろうか。
 そもそも、たぶん代々世襲で市長だったんじ
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グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

4.2

 監督は"Youth"と告げるが配給元は"グランドフィナーレ"と訂正する。セレブ爺ズ in 大金持ち御用達高級リゾート夏休みで「若さ」もねぇもんだと若い奴らが毒づくのが聞こえるようなタイトルに笑う>>続きを読む

警視庁物語 血液型の秘密(1960年製作の映画)

4.0

 今井健二もこれで二度と正道を歩めなくなったろう。乳児と母親の死体が相次いで発見される中、確度の低い証拠品から始まる聞き込みで今井があぶり出される。血液型判定で子どもの父親か否か問われる事の当惑も殺人>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.1

 12歳なら親の夫婦仲なんて事にも気が付いていたんだろう。それで心中でもあるまいに一緒に死ぬくらい相思相愛だったなんて、まあ、それは40になって離婚の破目になるまで思い至りはしないか。それとも営団新橋>>続きを読む

(ハル)(1996年製作の映画)

4.1

 どうも、ケーブル経由だからこそ気をゆるして男同士のつもりで軽口やえらそうなホラ話を叩きあったりする世界が成り立つつもりでいるんだが、もとより顔も素性も知らない間柄、何が本当か分からない。しかし、こん>>続きを読む

ホームワーク(1989年製作の映画)

4.2

 色眼鏡の審問官がチビどもを召喚。カメラでばっちり記録して言い逃れはさせない構え。
 神様はお見通しな感じの尋問風景と思いきや学校の授業とか先生とか、うちで宿題をどうしてるなんて話で拍子抜けだ。事前ア
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クライング・ゲーム(1992年製作の映画)

4.2

 ジェイ・デヴィッドソンのDill感は噛めば噛むほど英兵ジョディの凡庸そうな印象を引き締め際立たせる。処刑の間際、ジョディがいつの間にか縄を解いて逃走する。狙えば背後から仕留められるだろうに、ファーガ>>続きを読む

ねんねこ社員(1956年製作の映画)

4.0

 44分余ったからなんとかして ~ ありあわせやで ~ な感じのわりにヒューマニズムと愛がいっぱいな天からの授かりものならぬ電車で拾いっ子映画。
 赤ん坊を拾うのがよっぱらいやもめ会社員で、世話に困っ
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遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011年製作の映画)

3.0

 寒さに強いのか、板張り一枚の基地にアムンゼンの時代から建ってるのかと思いきや、雪上車があるし空も飛ぶわけで。ただ2011年といえばアムンゼンの南極点到達から100年目、ノルウェー基地が舞台なのも顕彰>>続きを読む

負け犬の美学(2017年製作の映画)

4.0

 大人の世界をのぞき込むと、そこがちっとも好意的でない事に気づいたりする。大人が自分たちの知らないところでなにをしてるか気になるとこれはしょうがない。悪意に満ちた言葉さえ飛び交うリングサイドで父ちゃん>>続きを読む

甘い秘密(1971年製作の映画)

4.0

 自分を引っ張り上げようと求める手掛かりが男。これがなかなか踏み台にはなってくれない。一種肉を食うかのような友美だが相手が古だぬきな老先生と生を吸い取る吸血画家では勝手が違いそうだ。
 こんな生き損じ
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キッチン(1989年製作の映画)

4.1

 見上げてごらん夜のミックス・ジュースをといいたいところだが、ミックスされながらそれは決して幸福そうでなく青白い冷光がジューサーを囲む彼ら4人の内のまだまだ拭いきれない疎隔のように感じる。それもそのは>>続きを読む

地獄のデビル・トラック(1986年製作の映画)

3.6

 自他ともに認める黒歴史的失敗作でもこのくらいは面白い。といっても、デビル・トラックの練り歩きなんてくすぐり満載に流されて本ネタであるアイ・アム・トラックの大群がどこへ何しに行くのかがぶん投げられてし>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

4.1

 よく分からないのだが、日米同盟もNATOも対宇宙人関係では協力的に働かないというわけか?また、一連の文章として解読されるイメージを12セグメンツにばらさないと地球人に公開できないどんな事情があるのか>>続きを読む

ダメージ(1992年製作の映画)

4.0

 ちょっと前までイギリスで政治家のスキャンダルといえば決まって女性問題だったが、当時これを見た諸兄はきっと鼻白んだ事だろう。新手の格闘技というかダンスバトルというか、攻めっぷりが矢でも鉄砲でも持ってこ>>続きを読む

壬生義士伝(2002年製作の映画)

4.0

 理解なぞ求められてないのだが、死ぬわけにいかないはずがああして死んでおかしくないような振る舞いに及ぶ。佐幕派警護の傭兵ではあるがよもや戦争にまでなろうとは思ったろうか。とはいえ相手は倒幕戦争も眼中の>>続きを読む

種まく旅人 〜みのりの茶〜(2011年製作の映画)

3.4

 あなたも有機・無農薬にいらっしゃいという感じの小品。その世界にいい顔を向けない面々にどんなのがいるか、役場だの外から来た会社だのが紹介されるが、なにしろアグリッシブな遊び人、金さんがついてるので全然>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.9

 じつは仕事をしてないと父ちゃんは空っぽだ。動物園のクマのように跳ね馬に乗って空っぽ荒野のサーキットをグルグル回ってしまう。それに飽きると酔っ払って階段で転んだりするんだが、目を回そうと腕を折ろうと屁>>続きを読む

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.4

 「クレイマー、クレイマー」この叫びを当時、どこか泣くような響きと受け止めた人も多かったのではないだろうか。それは、あれだけ奮闘したダスティンへの共感によってであり、そこに含まれるのは、ひとり親になっ>>続きを読む

天国は待ってくれる(1943年製作の映画)

3.8

 待ってくれるなら、急いで行くことはないわけだ。あるいは空きが出るまで待ってて欲しいなら娑婆に帰るのも手かもしれない。しかし、いつから天国は受入れの困難をかこつ様になったのだろう。あふれた天国難民を地>>続きを読む

ジェイド(1995年製作の映画)

3.7

 金持ちを磔にして切り刻みゃあどんな悪魔崇拝だろうと思うが、そこに「玉」を持ってきて"JADE"と躱してくればどっこい中国マフィアも一枚咬んでる?そんな厄介に上乗せ、現役強面州知事のヤバ気な写真まで発>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

3.3

 誰にでもわたくし事というか、それぞれの事情があるもんで、大家は家賃を払えと部屋に勝手に押し入るし、マノンはピエールの半腐れがいやで浮気に走るし、ピエールはそんな自分の煮え切らなさを持て余してエリザベ>>続きを読む

失楽園(1997年製作の映画)

4.0

 ドラマの世界に不倫も心中も珍しくはないだろうが、どこか小綺麗で見栄えのよい二人がそんな体裁のままこのさき多難な愛を全うするにはどうしようかと思った末、ただ愛ばかりでというのか、ふたりで幸福この上ない>>続きを読む

阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

3.7

 父親が自分らとは別の家庭を持っているかもしれない。この疑いは人によっては大うねりとして心を揺さぶる事もあるかもしれない。そんな揺動が露わな娘4人と当の父親に対して、本来は正面から向き直らざるを得ない>>続きを読む

ムスタング(2019年製作の映画)

4.2

 促されなければ死ぬまでしゃべらない、笑みを作らずに済むなら独房に籠ってた方がましかもしれない。そんな男だから刑務所で厄介になってるのか知らないが、それでも作業場の一角の小屋で何かが暴れていれば興味が>>続きを読む

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