ヘイヘイ

100日間生きたワニのヘイヘイのレビュー・感想・評価

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
2.2
ネット界隈では、熱狂?的なファンによる論争が繰り広げられている100ワニですが、批判するにもちゃんと金払って観ないとその資格ないだろ、ってことで半分怖いもの見たさで鑑賞。
原作はリアルタイムで体験済。
(騒動後も別にアンチじゃないです)

日曜朝8:30上映会(もうそれしかない)を鑑賞したため、川崎Scr5のキャパ約500人に対し観客は7人ほどと上映1w作品にしては客入りはさみしい。


結論としては、
ネット民がおもちゃにしてレビューするほどひどくはないです。
むしろ、原作の最終回から始まるオープニングは、ちょっとだけうるっとしちゃいました。でも、たしかに色々と思うところはありました。

以下、ネタバレあり。



よかったところ

•ネズミ(中村倫也)のあの感じ、よきです。原作のイメージ通りで、ちょっとクセになります。キャスティングした人、いい仕事してると思います。

•単純に原作を頭から流して、最後に泣かせよう、という安易なストーリーラインにはなっていなかったこと。
もう、みんな原作知った上で来ているので、中盤から原作にない新展開でちょっと冒険してみたのは、個人的にはよきです。
(実際にそれが面白かったかは別として)
亡くなった後に尺の半分を使い、残された側を描くのはアイデアとしても悪くないし、上手く使えばもっとメッセージ性も強く打ち出せたのになぁ、と。惜しいです。


よく思えなかったところ

•アニメ全く詳しくないですが、本当にフラッシュアニメレベルの動きしかないです。(途中紙芝居かと思われるレベル)
同じ料金で観る作品選ぶなら、シンエヴァとか竜とそばかすの姫をみた方が遥かに有益な人生を送れるかと。

最近テレビで庵野監督と細田監督の制作
現場密着ドキュメンタリーみましたが、本当細かいところの修正を指示していて尋常じゃないこだわりもって作っているんだなぁ、と感心しました。
そういうのをみてる後だと、本作はとりまこんなんでいいっしょ!みたいな適当感が鑑賞中じわじわ伝わってきました。
(まぁ、そもそも100ワニにヌルヌル動く作画、哲学的演出とか技術革新みたいなのを期待してる人いないと思います。気に入らないのは本当に、こんな感じで作っとけばいいっしょ!みたいな舐めたマーケティングで作ってるのが透けてみえちゃってるところなんです。(怒))

•劇伴の使い回し

音楽は亀田氏がやっておられるようですが、正直あんまパッとしないなぁ、と。
(一応Apple musicでダウンロードして何回か聴いてます。15曲で22分しかありません)
日常回シーンで何度か同じ曲流れるのですが、2回目くらいからちょっとイラッとしました。

•63分という上映時間、通常料金1900円-

制作までの時間的制限があったのか、ストーリーの分量的な問題なのかわかりませんが、やはり正味60分でフルプライス(1900円)というのは、どうなんでしょうか。
そもそもが、Twitterで無料で読めるものがバズったのがきっかけなのに、この料金帯でその読者層は劇場までこないだろうよ、と。

人の価値観はそれぞれなのは重々承知な上で個人的な意見を述べますと、やはりこの63分間に1900円という料金は見合ってないと感じてしまいました。せめて、1000円だったら、ここまで炎上しなかったかど。。。

でも、本当に感想は人それぞれであって、3席隣の女性は初っ端から鼻をすすりながらの号泣で、そのあと2回は流れているようでした。なので、もう価値観によりけりだと思います。


100日後に死ぬワニという作品について

•色々勝手な感想わちゃわちゃ書きましたが、100ワニという作品自体は好きです。
人って、”終わりが見え(そうになっ)たとき”に、そこまで何とかして頑張ろうって思えたり、生きた証を残そうともがいたり、意味を見出そうとするけど(「生きる」とか「ブレイキングバッド」等々)
大抵の場合、明日自分が生きてる保証なんてどこにもないんですよね。
くっだらない1日、イラついた1日、充実した1日、色んな毎日を1日ずつ消費しながら生きていく。
もし、「100日後にあなたは死にます」って言われたとしても、その記憶を消して99日生きる方が、もしかしたら幸せなのかもしれないなぁ、って思ったり思わなかったり。

あと、100ワニ信者によって、作者の想定を超えていく考察が自然発生的に出始めたとこについても、面白かったです。(ネズミ陰謀説等々)
そんなとこまで意図しながら、作者は考えては描いてねぇょ、と。(笑)


長々と書きましたが、上田監督。
何やら大変そうですが、頑張ってください!応援してます!!
100ワニ最高!!(白目)
ヘイヘイ

ヘイヘイ