つなまよ大臣

100日間生きたワニのつなまよ大臣のネタバレレビュー・内容・結末

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

Twitterでの漫画掲載をリアルタイムで追って楽しんでいたが、最終回直後の怒涛の商業展開に引いてしまって未視聴だった作品。

結論から言えば、思っていたほど酷くは無いが特に良かったところがあった訳でもない、という感じだった。

約60分のうち前半はワニが死ぬまでの100日間、後半はワニの死後の様子を描いている。
ワニがどのような最期を迎えるのかはおそらく大抵の人が知っているので、この映画のメインはネズミを始めとする友人たちが喪失感を抱きながらも前向きに生きていこうとする後半部分であろう。
この後半パートにおいて特徴的な存在が映画オリジナルキャラクター、カエルだ。
無神経と言っても過言では無いほど初対面の相手にグイグイと接するカエルだが、実は彼もまたネズミたちと同様に友人を失っていた。
それが判明したことをきっかけに(?)カエルはネズミたち友人グループとも親しくなり、少しずつ元の明るさを取り戻していった。
確かにカエルの心の痛みには同情するが、言葉を選ばずに言うと本当にウザい。本当に本当にウザい。
カエルが好意を抱いていたカフェの「バイトちゃん」が退職を決めたのも、お前が執拗に絡んだからだろ!としか思えなかった。
(カエルがいなければ話の展開が無いので仕方ない)

個人的には、このカエルのキャラクターがあまりにも強烈すぎてワニの印象が薄くなってしまっているように感じた。
原作の100日間全てを映像化するべきとは思わないし、中には本当に中身のない日もあるので、今回の映画では必要な話を上手くかいつまんでダイジェストにしていたと思う。
しかし話として通じるようまとまっていたものの、前半パートはあっさりしすぎていてワニの死が周囲の人物を動かすための装置でしかないように感じた。
連載を読んでワニに愛着が湧いていたこともあり、そこは寂しい部分ではあった。
(尺の都合上仕方ないが「くもぶとん」の回が好きなのでそれが全く出てこなかったのも悲しかった)

声優については、思っていたほど酷くなかった。むしろほとんどのキャラクターの演技に違和感はなかった。
(個人的には、ときどきネズミにおや…?と思うことがあった。あと山田裕貴が山田裕貴すぎる。)
それ以外は声優について特に気になることは無かった。
が、セリフの言い回しのせいで少し痛々しさを感じてしまう時があった。(漫画の時にはむしろ味になっていたと思うが、声がつくことで痛い大学生感が出てしまった)

酷評するほどの悪い映画ではなかったが、特に良くもない映画だった。
これにお金を払ってわざわざ劇場で見ようとは思わない。
なにか作業しながら流し見するので丁度いい作品だった。
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