灼熱の砂漠惑星のなかに点々と建てられた都市(通称『オアシス』)のうちのひとつで暮らす貧困層のワニの少年が、市民権を得て進学するために100日間の兵役につく物語。中盤のドッグファイトのシーンは手に汗握るほどの躍動感。｢コレ本当にPG12か！？｣と疑いたくなるほどの暴力・残酷描写も痛快(賛否あるのは分かる)であった。
主人公の出身地であるスラム街｢バブル・セブン｣は核戦争によって焦土と化した未来のブルックリンであるが、作中で｢歴史｣を知る者は1部のエリート層のみであるため、登場人物が｢国家｣や｢アメリカ｣といった概念に全く触れない点がなんとも不気味であった。
SFジュブナイル作品の金字塔。
100点満点中、102点である。
