ダンスをやっていたこともあって舞台に立った経験があるからこそかもしれないけど、ミュージカル映画、バックステージもの、好きだな〜。まぁ今作に関しては人物が急に歌い出したり踊り出したりする訳じゃなくて、あくまでも劇中劇としての歌や踊りだから、いわゆるミュージカル映画とはまた違うのかもしれないけど。
ご都合主義的でベタなサクセスストーリーも多少なりその世界を知ってるからなのか、逆にフィクションだからとキッパリ割り切って観れた。だから大勢の群舞や歌声、本番当日までの雰囲気、バックステージでの右往左往や悲喜交々、そこに生まれる人間関係や恋愛模様をどのように映画として表現しているかの部分を、純粋に楽しめたのかもしれない。
引退間近のカリスマ演出家を演じたワーナー・バクスターも迫力があって渋くてかっこ良かったけど、ペギー役のルビー・キラーがとにかくめちゃくちゃキュートで魅力的だったな。
終盤のフィラデルフィアでの本番当日のシーンは圧巻で、映画ならではの方法で舞台芸術を魅せることに成功している。それらの方法が現在ではさほど驚きの演出ではないということはつまり、今作が以降のミュージカル映画に多大な影響を与えたエポックメイキングということなんだろう。