碧

護られなかった者たちへの碧のネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

演者それぞれの「目」に圧倒され、スクリーンでの見応えがハンパ無かった。

けいさんが餓死したと利根が役所に踏み込み、追ってきた幹子が利根を見守りながらスッと一筋涙を流した、あの表情が忘れられない。
あれこそ「清原果耶」だと。
逆に犯罪者と化した珍しく激しい「清原果耶」を観れたことも得したような気持ちに。
何度観ても、19歳とは信じ難い恐るべし表現力に怯む。

もともと眼光が鋭い佐藤健だけれど、歪みきった刺すような目つきと、歪んでるけど寄り添うような目つきの演じ分けが流石だった。

阿部寛と林遣都はもうまさに適材適所。
お互いどこかふてくされた芝居が絶妙で、観ていて安心出来た。
でもやはり個人的に天才だと思ってる佐藤健と清原果耶が交わった時のエモさは…なかなか言葉には変えがたかった。

ラスト、幹子の語りで、堰を切ったように涙が溢れて止まらなかった。
やり切れなくて、
やり切れなくて。

先日『MINAMATA』を鑑賞。
自宅で『楽園』を鑑賞し、本日たまたま瀬々監督繋がりのこの作品を。
人生で人それぞれ、関わってきたこと関わってこなかったこと様々あるけれど…
間違っているものは「間違っている」と知らなければいけないことは絶対にある、と強く感じたここ最近の作品たちだった。

もう1回観たい。
碧