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護られなかった者たちへのtaikingのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.3
震災から10年経ち、直接的な被害というよりその背景で起きたパーソナルな問題や社会問題を軸にした作品も出てくるようになった(『おかえりモネ』なんかは前者の良い例)中、震災→生活保護という実際の問題をテーマにした切り口はなるほどな〜と言った感じ。

キャストの力は強くて、なんといっても清原果耶。宮城が舞台ということもあり「いやこれもうモネやん!」と感じてしまう場面があるのはいいとして、高校生→20代中盤までをヘアスタイルや表情で全く違和感なく魅せる力が凄すぎる。(これはモネもそう)そしてファン必見、こんな清原果耶も観れるの!?という展開になってくるのでここは楽しめた。

ただ言ってしまうとそれくらい。確かに感動する気持ちもわかるんだけど、とにかく「THE・邦画」みたいな出来すぎて、セリフがめちゃセリフ臭いし展開も本当に映画的(フィクション的)すぎて、せっかく社会問題取り上げてるのにすごくリアリティが無く感じてしまう。警察の動きや言動、犯人側の行動や言動・・・・全部フィクション。ならドキュメンタリー観ればいいんじゃん、って訳ではない。終盤にかけての展開も「まあ盛り上げたいの分かるけど・・・いや〜」って感じ。

この作品で「悪者」とされている人達の描かれ方もなんかモヤモヤ。もちろん現実と重ねたら白黒つけちゃうの良く無いかもしれないんだけど、結局なんだったんだっていう。
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