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護られなかった者たちへのPoMooNのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.6
大震災はどの国でも起こりえるが、
この作品は日本人で無ければ作れないと思う。東日本大震災から生じる人災とも言える生活保護問題・申請と不正受給、打ち切り、餓死、日本独自の日本的なシステム、窓口となる公務員を絡めた問題提起作品だ。
この作品を見ていると一見豊かそうな日本って、本当は貧しい国になっているんだと痛感し、胸を締め付けられ、やりきれなくなる場面が幾度もある。

東日本大震災から起こる被害は誰が悪い訳では無い。それ故に怒りのやりばがなくなる。震災後9年に起こる猟奇的連続殺人も震災が無ければ起こらなかった事件。その事件を追う刑事(阿部寛)も震災で妻子を失っている。事件の理由と真相はあまりにも悲しい。

多くを語らないが眼光での演技の佐藤健。妻子を失った悲しみが切ない阿部寛。人としての優しさが滲み出る倍賞美津子。淡々と、しっかり見せる演技の清原果耶。皆よかった。
No1076
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