しゃべうん

護られなかった者たちへのしゃべうんのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
1.0
はあ……。この映画に限らず、邦画ってなんでこんなにつまらなくなってしまうんだろう……。『ある男』もそうだったんだけど、作り手の主義主張が物語から浮き出すぎてて演説聞いてるみたい。その割に登場人物たちの気持ちや背景の積み重ねが足りないんだよ。急に俳優に顔ぐしゃぐしゃにしてベロベロ泣かせ出す。まるで「ここが山場ですよ〜〜〜!」と言わんばかりの演出。それって受け手をあまりにもバカにしてない?制作者がこの映画を通して主張したいことはわかるけど、途中から嫌気がさす。
わざわざ言わせなくてもいい台詞、社会派映画のはずなのに所々現実味のないセット、間ばっかり多くて長すぎる上演時間、上手いんだか下手なんだか微妙なラインの俳優……素材はいいのにどうしてもいつもこんな感じの映画になってしまうの?ミステリー部分がほぼ全て予想がつく挙句穴だらけなのは原作中山七里だから仕方ねえとしてもよ……(「連続殺人鬼カエル男」も私にとってはブチ切れ本だった)。
昨日『ウーマン・トーキング』という佳作を観てしまったタイミングだけにもう文化のレベルの差が悲しいよ。とにかく邦画制作者に伝えたいのは、受け手の感受性をもっと信用してくれ!!