さちえ

護られなかった者たちへのさちえのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.2
舞台は宮城県、震災直後の2011年と10年後の2021年を交互に映しながらストーリーが進んでいく構成

2011年では震災直後に身寄りのないお婆ちゃんと青年と女児が、血が繋がってないけれど本当の家族のように寄り添いながら生活していく様子が描かれる

2021年では連続殺人事件が発生。刑事モノあるあるの変わり者で出世街道から外れてるけど嗅覚は誰よりも鋭いベテラン刑事と駆け出しの若手刑事のペアが事件を追いかける

震災がテーマとのことで感動モノと思って観始めたけれど、事件の手口が被害者を粘着テープでグルグル巻きにして放置して餓死させるというあまりに猟奇的な手法だったのでちょっと面食らいました💦

でもどんどん展開が進むに連れ恐いとかいう感情は吹き飛んで、ラストはただただ泣いてしまいました😢

大震災、生活保護、テーマがとても重たい
生活保護課の仕事風景が出てくるけど本当に大変な仕事で、どこかで線を引いて割り切ってやらなければ職員はとてもやっていけない
その線引が法律や通達な訳だけれども、そこから取りこぼされた人は本当にどうすればいいのか…
真面目に向き合う人ほど心がやられてしまいそうで辛かったです

誰の気持ちも共感できるところがあるし、でもすべてがうまくいく方法が見つからなくて、とにかくとても深く考えさせられました

ストーリーに引き込まれ、人の温かさも感じることができ、予想外の展開もあり、必ず観た人の心に何らかの爪痕を残すような素晴らしい映画でした
是非多くの人に観てほしいです


この映画の後に政治家のニュースとか見るとほんと嫌になっちゃう…
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