このレビューはネタバレを含みます
まず、ロブの可愛がるトリュフ豚があまりにも美しい毛並みと愛嬌ある顔をしていて目を引いた。世間の目を避けて森の中でひっそりと暮らすロブと、トリュフの取り引き相手である青年アミールの出自が次第に明らかにされていく物語。奪われた豚を取り戻すリベンジ・スリラーならと相当なバイオレンスを予想し身構えていたら、暴力を一切使わない方法によって、ある意味では二人が復讐を果たしていく展開にとても意外性を感じて引き込まれた。また、そこが深みのある人間ドラマのように思えた。割とコンパクトな尺なのに映像をじっくりと見せてくれたのも嬉しい。
まぁ欲を言えば最後にアミールが反目していた親父に一言二言吐いてくれたらもう少しカタルシスを味わえたかな。ロブがいつまで経っても怪我の手当てをせず顔に痛々しい血痕を残し続けていたのが気になって仕方なかった。これは効果的な演出だった(笑)。
