"養鶏業界のマフィア"
１ヶ月１日3食マクドナルドというヤバい実験を行い、ファストフードの普及によるアメリカ健康問題に斬り込んだドキュメンタリー『スーパー・サイズ・ミー』。その続編となる本作は、自らファストフード店を立ち上げ、ビジネス視点でのファストフード業界の闇を暴く。
正直前作のように結果のわかりきった実験をしているわけではなく、ただ淡々とファストフードの立ち上げを追ったものとなっている。しかし、アメリカの養鶏家を悩ませる企業団体が存在し、養鶏家に多額の借金を負わせるマフィアのような資金操りが登場する。そうした養鶏家目線でビジネスの闇を紐解き、今のファストフードを支えるはずの彼らの財政危機には衝撃を受ける。
また、大企業による上部だけの健康志向は未だに蔓延っていることを痛感させられる。無農薬、オーガニック、合成着色料不使用、ナチュラルといった如何にも健康に気を遣った宣伝文句だが、実態は全く違う。企業戦略として消費者を徹底的に欺くのが、真の企業の在り方となっており、残酷さを匂わせる。
"ホーリーチキン"という皮肉たっぷりな店名。前作以上に偽りだらけのファストフード業界を傍観できるドキュメンタリー作品。
