無差別イイネは咒殺

リンダ リンダ リンダの無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
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女子高生が文化祭でブルーハーツのコピーバンドをやる話なのですが、ウルトラ最高な映画なのですよ!

山下監督×脚本向井さんのなんとも言えない笑いがまず最高なのですが、細部までこだわった美術やエキストラの作り出す完全なる高校の空気感、脇役に至るまで狂おしいほどに愛おしいキャラクター、そしてモラトリアム。

笑いに関しては着メロとか、妹の恋沙汰にそわそわして腕立て伏せ始める兄とか、唄で繫ぎ止めるシーンとか、挙げ出したらキリがないのです。

そして美術やエキストラによる高校の空気感の作り込みも半端ない。

最初の横移動で各クラスが映るのですが、隅々まで「あーあんな感じだったな!」と膝を叩く作り込み!

キャラクターに関しても語りきれない。

松ケンさんが告白するシーンとか、先の腕立てする兄貴や、シャイすぎる男の子とか、やる気だけ満々の監督とか、本人は本気なんだけどそれが側から見るとちょっとおかしい。

そして所々青春のなんとも形容できないエモーショナルを切り取っているところも本作最大の見所の一つですね。

生活の全てが実は愛おしい。

屋上で「こういう時のこと一生覚えているよね」っていうセリフを始めて聞いた時、なんでこんなにいいシーンが撮れるんだろう、と、深く感動した記憶があります。