Mypointofview

男はつらいよ 寅次郎の縁談のMypointofviewのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

就職活動で悩み、家出した満男が行き着いた香川県の志々島(映画では琴島)で、迎えにきた寅次郎が、神戸の料理屋をやっていた葉子(2度目のマドンナ•松坂慶子)と出会う物語。

葉子は寅次郎と同じ妾の子で、うちに秘めた寂しさと不安定さ、表に出ている明るさときっぷの良さは、一部寅次郎と似たところがあり、ふたりがはしゃいでいる姿は、さくらとはと違うタイプの兄弟同士のようで、子供のように楽しそうで印象的だった。

この作品では寅次郎の役者としての腕を、あらゆるところでチラチラと見せてくれる。恐竜のおもちゃを鮎の丸焼きのように見立てて、食べるふりをするところ、そしてその後楊枝を使うのもまるで食後の仕草のよう。美味しそうに見えて楽しませてくれた。

また葉子と寅次郎が月を見て、軽く会話をするシーンも、寅次郎がモテるんだろうなぁと感じさせるものがあり魅力的。裏地がピンクだったり、笑顔書いてあったり、実に粋でかっこよかった。

寅次郎のセリフや芝居の全てが、皆が寅さんに求めているものであり、大満足の作品。寅さんのように自分をよく知り、自分の生き方に自信を持って、誰にも負けない唯一の生き方を堂々とする姿は、清々しくて本当に夢があった。