Ryo

マグノリアのRyoのレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
4.0
カエルが降ってくるような予想もしない出来事が起きる世の中で我々は生きていくしかない。自分への許しを表した映画。

「得られない愛によって翻弄された人々」
罪深き「父」について描いた話

ー父についての話ー
どの話も全て父についての物語です。
劇中ではカットされわかりにくいですが警官が乗り込み押し入れに男が入れられていたのは虐待してたから母親が殺し、ラップする黒人の子供の父親はあの警官を打った張本人であり同じ銃を子供が拾い劇中に出してます。

父親にこき使われたり罪深き父を描いている

ーエンドクレジットFAとEAに捧ぐの意味ー
EAはアーニーアンダーソン(父)

父は監督が若い頃他の女を作り出ていきました。それにショックをうけ父とは絶縁状態でしたが映画でも出てきた様に監督の父は癌で亡くなってしまいます。そんな父を看取り愛を再確認した時の事を想い、父に捧ぐと言っている。

FAはフィオナアップルという同棲してた彼女

彼女との関係もこの映画に非常に影響を与えている。


ー全てにモデルがあるー
ここで出てくるキャラクターの殆どがモデルがいます。
罪悪感から自殺を試みるジュリアンムーアは監督の父が作った若い女で、父の死後あったそうです。
フィリップシーモアホフマン演じるフィリップは本人役であり演技をしないで素の状態でいてくれと頼んだそう。
クイズ番組は監督が実際にクイズ番組のADをやっていたそうでその時を再現、当日クイズ番組の司会をやっていた父の事も反映させている。
電気屋でクビになったかつて天才少年として陽の目を浴びていた男は山ほどハリウッドにいた天才子役が今はどうしようもない人達のことを指している。
クイズ番組でおしっこをしてしまった子供、父に犯され薬中になってしまった娘はフィオナアップルをモデルとしフィオナアップルは昔レイプされ幼少期にステージで歌を歌ってたときトイレに行きたくなったが父親にダメだと言われたらしい。

ーなぜカエルが降ってくる?ー
チャールズフォートという作家が書いた本の中にカエルや魚が空から降ってきたと言う超常現象を描いた。そしてこの本はクイズ少年が最後読んでいる本でもある。

ーマグノリアのタイトルの意味ー
監督はたくさんの資料を読むうちにカエルが空から降ってくる文書を発見、マゴニアという空飛ぶ大陸がありそこから降ってくると言う迷信がありました。マグノリア通りでの物語とマゴニア語奇跡的に一致しカエルの降るラストになったそう。

監督の意図した本当の意味はカエルが降ってくる様などうしようもない思っても見ない事がこの世界には起こるけど運命に身を任せるしかない、この世界が続く限り生きていくしかないという事だそうです。

ー旧約聖書8章第2節ー
ユダヤの神が奴隷を解放するためにカエルを降らすと言った内容でこの映画では心の奴隷である主人公たちの解放を意味している。また、82という数字も何度も出てきている。
ただしこれは後から聖書に書いてる事を教えられた為正式な意図ではないらしい。
Ryo

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