マグノリアのzinbeiのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしい群像劇。街中ですれ違う人ひとりひとりが他人には容易に共有できないような痛みを抱えている。誰もが言いずらいけど愛してほしいと思っているし、愛を信じる者はあふれる愛の捌け口をいつも探している。人生の後悔は創作の綺麗事みたいに赦されるものばかりではなく、抱えながら死ぬ人もいる。
演技面ではカリスマナンパ師フランク・マッキー演じるトム・クルーズがとても良かった。遠慮なくズバズバとインタビューをする記者に対し真顔で見つめながら「君を裁いてる」と放った時の目力には鳥肌が立った。
ラストのカエルの雨の展開は正直作品として腑に落ちない気持ちが大きいが、登場人物達のわだかまりを吹き飛ばす役割を果たして暗い夜を乗り越えてさせているのを見るとほんの少し「良かったね」と思えるのだった。