FREDDY

カポネのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

カポネ(2020年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

ジョシュ・トランク監督が伝説のギャングである"アル・カポネ"の晩年を新たな視点から描いた伝記映画である本作は、所得税の脱税の罪による約10年もの服役生活の中で梅毒が悪化し心身ともに蝕まれながらも刑期を終え、政府の監視の下、フロリダ州パーム・アイランドの大豪邸で家族や友人に囲まれ隠遁生活を送っていた、かつては"暗黒街の顔役"として恐れられるも梅毒の影響による認知症を患いカリスマ性や威厳を失ってしまったアル・カポネや、認知症が悪化したことで精神に異常をきたし現実と悪夢の狭間から抜け出せず奇行を繰り返していた彼の姿に戸惑いを隠せずにいた愛妻のメエや息子のラルフ、アルの認知症を演技だと思い込み彼が隠した1000万ドルもの財産を取り押さえようと執拗な監視を行っていたFBI捜査官のクロフォード、クロフォードに弱みを握られアルから隠し財産の在り処を聞き出すこととなった担当医のカーロックらの視点から伝説のギャングであった"アル・カポネ"の末路を描いた作品となっているのだが、アル・カポネを演じたトム・ハーディの演技は高評価なのだが、いかんせん内容がアルが患う認知症は本当なのか演技なのかという疑問のもと、認知症によって心身ともに蝕まれ現実と悪夢の狭間から抜け出せずに奇行を繰り返すアルや家族たちの姿を追っただけのものとなっているので、物語という物語はとくにないですし、晩年のみに焦点を当てた本作は"暗黒街の顔役"時代のアルの姿がほんのわずかしか映し出されない物足りなさも。アルの隠し財産というものも重要なアイテムとなっているが触れただけに過ぎず在り処を追求するわけでもないですし、アルの晩年が知れたことや梅毒や認知症というものに目を向けさせられた点は良かったがもう少し内容が欲しかったですね。少しばかり退屈に感じてしまった。
FREDDY

FREDDY