まこ

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのまこのレビュー・感想・評価

3.8
現代アメリカ版シラノかな?始まってしばらく、主人公が恋している対象を読み取れないまま観てしまっていて、もったいないことをした。気付いてから、あの表情は…とかあの発言は…とか、思い返すとかなり印象が変わる。監督自身の経験が基になっているらしく、監督からの、終わりが始まりとなりますように、というメッセージも響いた。
手紙でのやり取りや、哲学者の言葉を引用した会話が奥ゆかしくて、ときめく言い回しばかり。たしかにめちゃくちゃ読書家の知り合い、言葉選びがナチュラルに詩的だったりして、素敵な表現の仕方をたくさん知っていて羨ましいなー、と思っていた。シラノと違って、「面白いのはこれから」な終わり方もよい。
全体的な作品のトーンは好きなのだけど、やはりこちらは舞台設定が現代だからか、代筆でアプローチって現実的にはされる側の気持ちどうなのかな…とずっと引っかかってしまい、クライマックスまでなかなかハマれず。いや、でも最終的には好き。
2人が観ていた映画にシュラッダーカプールが出ていたから調べたら、「野獣一匹」という、「悪魔を見た」のリメイク作品だった。ラスト、その映画と同じ状況になったときのエリーの涙につられた。
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