松本動監督作品特集上映にて鑑賞。

2020年、緊急事態宣言下で、撮影も舞台も、仕事の無くなった俳優たちの「モノローグ」を、巧みに編集し、当時の閉息感とそれをぶち破る自己表現への欲求を形にしたドキュメンタリー。

いや、監督によれば「ドキュフィクション」だ。12人の役者の独白は全てが真実とは限らず、役者は自分を演じているのだと言う。

ラストは、コロナ禍それでも作品を作りたいという思いから作られたショートムービー『パレット』。

もう5年前になる、あの頃の葛藤を切り取った実験的作品。

毎年楽しみにしている「東京ドキュメンタリー映画祭　大阪」
去年は『カタルナ』『東京オリンピック2017都営霞ヶ丘アパート』という傑作に出逢えた。

でも今年はどうにもスケジュールが作れずこの1本だけ。

で、いと悲しい結果に…。
12人の役者「未満」を撮る映像作家「未満」。矢鱈冗長で視点の定まらない浮ついたコロナ禍点描。

仕事に溢れた「自称役者さん」たちが食い詰めた2020年を平面的に並べ映しながら、その彼らを演じ手として短編映画を撮るという。

これがまた『BOLT』の亜流で、しかも貧相。
それで終わればまだ良いものを、その後もまた延々と「役者」たちの繰言を並べ連ねる。

この企画の決まり事で、上映後は作り手からのコメントがあって、ちょっとしたトークショーになります。この日は平日午前ということもあってお客さんは二人だったと思います。
でもごめんなさい。あとお一方を残して私は退席させていただきました。取り敢えず今年最も残念な映画ではありました。

よくわかんない